10 告白

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その言葉に反応する様に顔を上げると、先輩は、まるでふっ切れた様な清々しささえ感じられる表情で、私を見つめていた。 「カメラマンに注意されたよ。 『体だけで、心が入ってない。 表情やポージングをいくら作っても、レンズを通して、分かるんだよ』って…見透かされて。 …プロ失格だなって思った」 「…先輩…」 「その時、気づいた。 自分が思っていた以上に、大切で必要で…失いたくない存在なんだ って。 仕事に支障が出るくらい気持ちを占めてる、って」 「……」 そう言うと先輩は右手をゆっくりと、私の頬へ近づけて。 あの日。 特進科の校舎で初めて会った時とデジャヴする。 「…触れてもいい?」 「……だめって言っても…、触れるくせに…」 ああ。 また、涙声。
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