10 告白

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「…ハハ。 愛也ちゃん俺を『分かってきた』 ね」 はい。 …それはもう。 「…大嶋さんから聞いた?」 その一言で、先輩が、私が空港に 来た経緯や理由を全て知っているんだ、と気づく。 「…あ、はい。 電話で…聞きました」 「…そっか。 海外は初めてじゃないから不安はないんだけど…1ヵ月って、長い なって。 時差もあるし、体力的にも精神的にもモチベーションを保たないと良い仕事を残せない。 だから…、頼みがあるんだ」 「私に、協力できる事なら…」 「ありがとう。 離れていても大丈夫な様に…俺が頑張れる様に、してくれる?」 「……」 零れそうになっていた涙が、瞬時に引っ込んだ。 …どうしよう。 先輩の求めるレベルに、恋愛初心者の私が、応えられる訳がない。 「…繋がりたい。 体だけじゃなくて、心も。 愛也ちゃんと心が繋がっていれば頑張れる。 どうしたら、手に入るかな」 ボンッと。 頭の中で響く爆発音と共に、じわじわと、体温が上昇する。 信じられない。 そんな言葉を、恥ずかしげもなく口にするなんて。 「そ…、そんな事聞かれても…」
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