10 告白

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焦りからか、先輩の声のトーンが下がる。 私が言っても説得力がないけれど …実は、分かりやすい人だ。 「相変わらず隙だらけだ。 …答えないなら、キスするよ」 あっ。 このパターンは…! 経験から学んだのか、私はとっさに、先輩の口元を覆う様に右手を当てた。 「…嫌?」 私の手で少しくぐもって聞こえるけれど、それでも、機嫌が悪いと すぐに分かった。 「い、嫌とかそういう事じゃなくて、その…」 心の準備というものが…! 気持ちを自覚しているからって、 体はすぐに対応できないよ…。 「…分かった。 じゃあ『続き』を言ってくれたら それで納得する。 それ以上は求めない」 そう言って、冷静に私を見据えている瞳がかすかに揺れた様な気がした瞬間、私は思った。 一体、何のために、ここまで来たの?と。 「…先輩の事が…、好き…です」
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