6296人が本棚に入れています
本棚に追加
嬉しそうに微笑む表情を見ていたら、もう、何も言えなくなって。
ああ。
完全に、惚れた弱味だ。
きっと私はこれからもこの笑顔に振り回され続けるんだろうな…と
確信せずにはいられなかった。
「……こう、ですか?」
「そう。
見下ろされるって、新鮮だな」
シートに座る先輩の長い脚の間に膝をついて向かい合うと、当たり前だけれど、私が先輩を見下ろす体制になった。
いざやってみると…恥ずかしい。
次第に、赤く染まる頬を実感する私に対し、先輩は満足げな表情を浮かべている。
「……」
なんだか、可愛い。
私の言動に一喜一憂するその姿や表情は、子どもみたいで。
私には、とても愛おしく思えた。
最初のコメントを投稿しよう!