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「…少しかがんで?
それから、顔を斜めにして」
私を見上げながら、誘導する様に言った先輩の言葉に、どくん…と胸が跳ねる。
だって。
その動作は、キスをする時の先輩そのものだったから。
目線が逆になるだけで、こんなにどきどき…するんだ。
「…あの…目、閉じてください」
「嫌だ」
「…み…見つめられたら、その…
できま…せん」
「閉じたら、してくれる?」
「……は、い…」
恥ずかしいやりとりの末、先輩がなんとか私の意見を受け入れた事にホッと胸をなで下ろすと、私はいよいよ…!と、覚悟を決めた。
「……」
「……」
…それにしても。
本当に、整った顔だ。
男性と思えない程、まつ毛は長いし…、鼻筋はスッと通っているし肌も艶々していて、つい魅入ってしまいそうに……って!
見とれている場合じゃなくて!!
「…まだ?
やっぱり、俺からしていい?」
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