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思わず、口元を右手で覆う。
今の……、私?
初めて耳にした、自分の甘い声に
驚きと動揺を隠せない私は、その状態のまま硬直する。
…びっ、くり…した。
それ以上に、とても恥ずかしくて恥ずかしくて…もう、出せない。
そう思った私は、きゅっと口元を引き締めて、さらに片手で押さえる。
……けれど。
そんな小さな抵抗は先輩に崩された。
「可愛い。
…声、隠さないで」
私なんかとは、比べ物にならない甘くて低い声の後、今度は鎖骨に同じ痛みが走る。
「…あっ…」
ぴくり、と体が震えて。
耐えきれなくなった様に甘い声が落ちた。
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