10 告白

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「んっ」 私の顔を見た後、ボソッと『同じ事…』と、呟いた先輩が近づいて軽く触れるだけのキスをしてきた事で、私の声が車内に響く。 シートから降りようとして、体を半分だけ外に出す様な恰好だったからか、完全に気が緩んでいた。 「…同じ事、じゃないです…」 右手で口元を覆う様に、そう訂正しながら、突然のふいうちに私は知らず知らず顔が赤くなる。 ……もう。 「…嬉しいくせに」 そんな反応も想像通りだったのか先輩は、楽しげにしながら、あの意地悪な微笑みを最後に見せて。 空港へと向かった。
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