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「んっ」
私の顔を見た後、ボソッと『同じ事…』と、呟いた先輩が近づいて軽く触れるだけのキスをしてきた事で、私の声が車内に響く。
シートから降りようとして、体を半分だけ外に出す様な恰好だったからか、完全に気が緩んでいた。
「…同じ事、じゃないです…」
右手で口元を覆う様に、そう訂正しながら、突然のふいうちに私は知らず知らず顔が赤くなる。
……もう。
「…嬉しいくせに」
そんな反応も想像通りだったのか先輩は、楽しげにしながら、あの意地悪な微笑みを最後に見せて。
空港へと向かった。
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