10 告白

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「次の便まで、あと15分か…」 先輩と別れた後。 バス乗り場へと向かい時刻を確認した私は、設置されている広めの待合室で時間を過ごす。 平日でも、人が多いな。 そんな事を思いながら空いた椅子に腰を下ろして、ふと息をつく。 「……」 空港までは2時間半。 滞在時間はその半分にも満たないなんて…、そうと分かっていても先輩に会いたかったんだな、私。 と、改めて、自分の気持ちを自覚した瞬間。 鞄の中の携帯が、震えている事に気づく。 あ。 お母さん…かな。 留守の間に、突然、しかも理由も分からないまま私が居なくなった んだから、心配しているよね…。 加えて、今まで連絡の一つもして いなかったから。 お母さんだったら、まずは謝らなきゃ…と思いながら画面を見る。 あれ? 先輩?
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