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わ…、
わーっ…、
うわ、あ……、びっ、くりした。
一瞬、呼吸…忘れそうになった。
『好きだよ』
『愛してる』
鼓膜が震える程、低い、甘い声とストレートな言葉が…、私の耳に残って回っている。
『あ…、あの…』
『動揺した?
俺なりに、自分の気持ちは伝えたつもりだったけど…やっぱり口にしたかったから。
返事は?』
『へ…?返事?』
『そう。
ただ『ありがとうございます』と
『私も』っていう同意は、少しも受けつけないよ。
愛也ちゃんの言葉で、表してね』
『……』
『意地悪』と、心の中で呟く。
先にそんな風に言われたら、もう
選択肢は…一つしかない。
それでも。
そうなると分かった上で、先輩は仕掛けてきて、私は結局、いつも捕まってしまう。
決して逃げられない…手の中に。
『どうしたの、ほら。
早く聞かせて…愛也』
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