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にやりと、含み笑いをして、優はミルクティーのグラスを手に取り口にした。
「……」
嬉しいな。
先輩からのメール一通で、簡単に私の表情はほころんでしまう。
「…わ」
「なになに?」
メールを開いて、そう言った私のリアクションに、優は体を傾けて覗き込む。
「わ、すごいね」
「うん…楽しそう」
優の声に、大きく頷く。
メールの題名は『本物』と一言。
添付されていた写真にはフランスの観光地、凱旋門の前で嬉しそうに笑みを浮かべた先輩が、映っていて。
ふふ…。
はしゃいでる。
無邪気なその姿に、微笑んでいると。
「…以心伝心だね。
その写真ただ記念に撮った訳じゃなくて、フランスの風景を愛也に見せたくて撮ったはずだよ。
いいなあ…そういうの」
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