11 彼女

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にやりと、含み笑いをして、優はミルクティーのグラスを手に取り口にした。 「……」 嬉しいな。 先輩からのメール一通で、簡単に私の表情はほころんでしまう。 「…わ」 「なになに?」 メールを開いて、そう言った私のリアクションに、優は体を傾けて覗き込む。 「わ、すごいね」 「うん…楽しそう」 優の声に、大きく頷く。 メールの題名は『本物』と一言。 添付されていた写真にはフランスの観光地、凱旋門の前で嬉しそうに笑みを浮かべた先輩が、映っていて。 ふふ…。 はしゃいでる。 無邪気なその姿に、微笑んでいると。 「…以心伝心だね。 その写真ただ記念に撮った訳じゃなくて、フランスの風景を愛也に見せたくて撮ったはずだよ。 いいなあ…そういうの」
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