2話:部活を作ろう(2)園山 桜

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そういえばこうして校内を歩いて回るのは初めてだ。 とは言っても特に行き先は無く、取り敢えず歩き回ってみる事に。 長い廊下の向かって左側にはロッカーと窓。右側に一年生の教室がある。 因みに俺のクラスは1年3組な。 どのクラスも昼休みを満喫しているらしく、開け放たれたドアからその様子が窺える。 うむうむ、まだ入学したてで中学生気分が抜け切ってないな! 1年1組を通り過ぎた所で左側に階段、しかしわざわざ上に上がる事も無いため直進。 そういやこっち側に購買やホール(自販機コーナー)があったような。 実はまだこっちの方には来たことがないから良い機会だ。 俺はそのまま購買と併設しているホールへと足を運ぶ。 『ガコンッ』 無機質な音を立てて選んだ微糖の缶コーヒーが落ちてくる。 「こうして学校に購買や自販機があるってやっぱ高校だよなぁ」 こんな何気ない事に高校生になった実感を覚える15歳。 缶コーヒを取り出して一息。 周りを見渡してみると何個かある円型テーブルを囲って男女が談笑している。 スリッパの色が赤や青だから二年生と三年生だな。 空いている席も何個かはあったが何となく自販機の横でちびちびと缶コーヒーを飲む。 言っておくけど別に上級生にビビってるとかじゃないぞ!
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