~3~

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お母さんが死んだというのに、私は泣けなくて、綺麗な月をただ眺めていた。 しばらく見ていると、雨が止んだ。 正確にいうと、私の所だけが。 訳がわからず上を見上げた。 そこには、傘をさしている男の人がいた。 「あの……「こんな所にいたら風邪引くよ♪」 「いやっあの「あっでも、もうびちょびちょだねぇ~」 エヘヘッと笑う男、誰だ? 「あの…あなたわ?」 男は、笑顔のまま、 「俺夏、森口 夏! 君は?」 「晴香…」 名字も言った方がいいのかもしれないけど…。 「へー晴香ちゃんか!!」 顎に手を当てて、なるほど~ど嬉しそうに笑う。 よく笑う男の人だな。 「あっ、本題忘れてた!!」 いきなり大きな声出すからビックリした。 そんな私に気付いたのか 「あっごめん…驚かせたね。」 そう言ってしょんぼりしている夏さん…可愛くてつい吹き出したら 「笑わないで!そんな事より、こんな所で女の子が何してるの?危ないでしょ!」 急に真面目な顔で言うからびっくりした。 でも、 「あなたに関係無い…。」 そう、関係無い事…。 「関係無いことないでしょ!大雨の中、女の子が一人傘もささないでいるのを、ほっとけると思う?」 「……。」 「何があったか知らないけど、親御さん心配するよ。」 親か……。もう居ないし…。 それに、帰る所も無い…。 「でも、濡れたまんまだと、風邪引くから、俺の家来る?お風呂かすよ?」 「……。」 「あっ、別に変な意味とかじゃなくて…。」 いきなり、アワアワし出す夏さん…。 「~~//とにかく、家行こっか♪」 でも、夏さん格好いいし、彼女いたら申し訳ないな…。 「あっ、あの…夏さんって彼女いないんですか?」 不思議そうな顔をする夏さん。 「フフッいないよ~だから、心配しないで♪」 「あっ…はい…」 「ん、じゃぁ出発!!」
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