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「と…おきて!ゆうと…」
ん…。朝か…静香が起こしに来てくれたんだな…
「勇人!!起きて!勇人!!」
はいはい…起きますよ~。
…って!?
「いてっ!?」
「あぅっ…!?」
現状を思い出した勇人は、跳ねる様に飛び起きると静香の額に額をぶつけてしまい、目に火花を散らした。
「っつぅー。ここは?」
「んー。どうやらアンゴラ大王が改変した世界みたい。」
互いに額を押さえながら辺りを見回す。
どこまでも続いていそうな平原に飛び交う小鳥達…
遥か遠くに見える山々と反対側に広大な海…
そこは、現界でありながら別の世界…
つまりはパラレルワールドであった。
「ここ…どこ?」
「わかんねー。
それより、無事か?」
「うん…おでこ以外は…」
「ハハハ…。俺もだ。」
笑いながらも何処元気のない二人…
両親を連れ去られた上、16歳半ばの少年少女がこの様な訳のわからない場所に連れてこられたのだ。
無理もない。
「…とりあえず、ここを離れよう…
誰かいるかも知れない。」
「…うん。」
勇人は静香の手を取り立たせるとこれからの行き先を相談することにした。
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