序章

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「…ノスカルピンの盟約により、この世界は私が支配する。 我はアンゴラ… これよりお前達、現界人は我の支配下に置かれるのだ。」 「なっ!」 「う…そでしょ…」 アンゴラ大王の声明に世界中の現界人が上空を見上げ、罵声をあげる。 「ふざけるな!!」 「馬鹿にするのもほどほどにしろ!!」 するとアンゴラはにやりと笑い、人一人分あろうかと思われる大きな手をかざし、気合いのようなものを打ち出した。 「なっ!?」 「そ…んな…」 二人は見てしまった。 ただそれだけで吹き飛ぶ町… 幼い頃に遊んだ公園も、ともに学んだ学校も跡形もなく消え去っていく。 「いっ…いやぁぁぁぁ!!」 辺りは騒然とし、逃げ惑う人に溢れだした。 「くっ…ここはまずい…。逃げよう静香。」 「う…うん。」 勇人が静香の手を掴み、走り出そうとしたその時… 二人の頭上をかすめる様に二つの影が飛んでいく。 「あ…あれは…」 「勇人の叔父さんと叔母さん!?」 アンゴラ大王の前に立ちはだかる二人の影。 その正体は、成長したニーナと悟の姿であった。 「そうはさせないデス!」 「現界は俺の領地だ! 好きにはさせないぞ!!」
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