Break

3/12
前へ
/37ページ
次へ
麗香の家は金持ちだった。 しかし、世界的な不況の煽りを受けて麗香の父親が経営する会社は倒産。 高校進学を控えていたが、多大な借金を前に麗香は進学を断念。 両親は夜間でもいいから必死に高校へ行くように促したが、麗香の固い意思により進学する事はなかった。 働いて働いて働いて…… 麗香の青春は親の借金の返済に充てらた。歳を重ね、皮肉な事に借金苦が麗香を痩せさせ、その美貌を活かし夜の世界に飛び込んだ。 結果、借金を返済する事は出来たが麗香には何も残らなかった。が、その夜の世界で出会ったのが今の旦那。 その旦那との仲を狂わせたのが学歴だった。 だとしたら、かなりいい大学の建築学科を卒業した須藤さんと仲良くなったとしても、先を感じられない。 今は若くそんな事など気にしないかも知れないが、麗香のような目に合うのは真っ平ゴメンだ。 端から何かを期待しようとしたのが馬鹿だったんだ。 昨夜の事をちょっと回想していると、須藤さんが口を開いた。 「……岡崎さんに何があったのか分かりませんけど、私は、岡崎さんの応援しますよ!」 顔を真っ赤に上目遣いで何故か俺への応援宣言。 チッキショー、やっぱり可愛いなコイツ!
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加