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「は、はじめまして!今日から配属になりました須藤奈緒です!分からない事だらけですが、頑張りますのでよろしくお願いいたしまつ!」 ヤベー、超可愛い。 最後噛んじゃって顔赤らめてるし。 天然か、天然なのか? 他の職人達も同じ思いなのか少しニヤけた顔がだらしない。 それでも須藤の初々しい挨拶は職人達の温かい拍手に包まれて終わった。その後はいつも通りの流れで仕事が始まろうとしていた。 その時、不意に俺達鳶仕事の担当をしている監督の長澤さんが話し掛けて来た。 「岡崎さん、ちょっといいかな?」 「どうしたんすか?何か仕事の変更ですか?」 「違う違う、実は新人の須藤なんだけどさ、俺がOJTになっちゃってさー。面倒見なきゃいけないんだけど大工の図面が変更になっちゃって俺が説明しなきゃいけないんだ。ちょっと見ててくれない?直ぐに戻るからさ!じゃ頼んだよ!」 「あっ、ちょっと!長澤さん!?」 俺が呼び止めようとした時には既に大工の作業ヤードへと走り出していた。 マジかよと思いながら振り向くと、そこには緊張した面持ちの須藤さん。 「よ、宜しくお願いします!」 緊張し過ぎじゃね?俺ってそんなに怖いか?
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