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翌日は流石に一日中案内ってことはなかった。 それでも、長澤さんがウチの担当をしている限り須藤さんも付いて来る。 監督を交えての休憩中、俺のおかげかこの日の須藤さんは職人に対して緊張している様子もなく、後輩達が無駄に話し掛けても笑顔で対応していた。 うん、須藤さん。昨日の俺に対してその笑顔はなかったぞ? 嫉妬にも似た感情が湧くのを打ち消すように、その腹いせを佐藤に返す。 「おいコラ、いつまでもくだらねー話してんじゃねー。いくぞ!」 「すんません!」 俺の怒号に佐藤が謝る。それと同時に他の後輩達も立ち上がり作業場所に戻ろうとした。 その時、チラリと視界に入った須藤さんの顔。それは今にも泣きそうで申し訳なさそうなものだった。 いや、別に須藤さんに言ったワケじゃねーのに…… 何故か彼女を傷付けてしまったような気がして謝りそうになる。 が、ここでそんな事をすれば後輩に舐められるし、俺のプライドが許さん。 自分で壁を作ってしまったかもしれないが、現場には仕事をしに来ているのであって、女と喋りに来てる訳じゃない。 などと考えながら仕事をしていれば、直ぐにそんなことなど忘れて一日は過ぎる。 本当に些細な事だった筈なのに、それはその日だけのことでは済まなかった。
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