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「お楽しみはこれからだぜ」
卑下た笑いが耳元でした。
ああ、
もうダメかもしれない―――
絶望で涙が滲んだ。
このまま誰ともわからない男に犯されてきっとどこかに捨てられるか売られるか、殺される。
男がくちびるを無理矢理に重ねる。
ガリッ
「~~い、」
思いっきり噛みついた。
このままおとなしくなんて犯されるわけにはいかないから!
力が緩んだその一瞬で男の下から這い出して、その部屋の扉のひとつへと四つん這いで向かう。
―――逃げなきゃ
扉から這い出ると鍵を回し掛けた。
ドン!
ドン!ドン!
「てめえ、ぶっ殺してやる!開けろ!」
逃げた先の部屋にはもう逃げ道はなかった。
窓がひとつ。
窓から外を覗くとどこかのビルの三階で逃げ道がない。
―――にげ、られない
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