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達也がいて、ぺこちゃんがいて…わたしが笑って達也も笑って。
この一年ずっと達也を好きだった。
「ひっく」
踞っても寒い。
涙が出て顔は熱いのに体は冷えていた。
「泣いたら、いつものぽぽに戻りな」
いつの間にかセンセはわたしの前に立って白衣を広げてその胸の中に包み込んでくれた。
「泣ける時には泣いた方がいい。我慢してると体に悪い」
「ひっく」
優しくて暖かくて悲しくて辛くて混ぜこぜの気持ちが、センセのシャツに溶けていく。
「俺は昔からぽぽの涙に弱いんだ」
うん。
そうだったね。
わたしが一番最初にフラれた中学一年の時には、わたしを振った先輩に「ぽぽの良さがわかってない!」ってムキになってくれたね。
中学三年の卒業で同級生に告白断られた時には雪の舞う中、ずっと頭を撫でてくれたね。
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