『若恋』～成田の恋～

フラれて行く先は。

―――フラれた

わたし福井彩萌(愛称ぽぽ)

彼氏いない歴17年。

今度こそ両思いだと思って告白の場所に公園の噴水前を選んだのにフラれた。

相手が好きだったのが、まさかのまさか。
わたしの親友。

あり得ると言えば一番あり得る。

それも告白する前に失恋した。

「俺さ、実はぺこが好きなんだよね」

「え？ぺこ？」

「ぺこはどんなタイプが好きなんだろう？
おい、ぽぽ。ぺこの好きなタイプを知ってるか？」

それをわたしに聞くの？

こっちは両思いだとばっかり思ってたから、ぺこちゃんのことを好きだったのがわかってショックで立ち直れないよ。

泣きそうだよ……

「ぽぽ？」

「あ、ううん。なんでもない」

目の前で目尻を赤くして照れくさそうに話すのは、高校一年の時からの腐れ縁。隣の席の達也だ。