フラれて行く先は。

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「はあ?ぬらりひょんの孫?もしかして漫画の?」 「うん。漫画の」 達也は首を傾げる。 「芸能人とか具体的には?」 「んー、小栗旬だったかな」 「…小栗旬」 プツブツ あのー、達也。 公園の噴水前に連れて来たのはわたしだけど、もうわたし帰りたい気分なのよね。 なんでぺこちゃんと達也の恋の話をしなくちゃいけないんだろう? ―――惨めだよ 「あのさ。芸能人、他には?」 「えっと、ね」 情けなくて切なくて浮かんでくるのは涙。 達也の前で泣くわけにはいかないのに瞳から溢れ落ちそうになってる。 達也には達也を好きだったことを知られたくない。 知られたら仲の良かったこの一年とちょっとの期間がすべてぶち壊しになっちゃう。 だから。 涙よ引っ込め。 「芸能人では嵐の二宮くん」 「嵐の二宮かあ、俺、似てねえよな」 「どちらかというと二宮くんより、松潤かな」 「だよな」
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