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ぎょっ。
見てたのかい。でも告白する前にフラれてるから気付かれてないはずなのに。
「こいつ俺よりずっといい男だったんだろうな」
ニヤッ。
成田センセのくちびるが弧を描いた。
意地悪なセンセのことだからきっと達也を好きなことからかわれちゃうかも。
構えていたら。
「少しは元気出たか?」
「えっ?」
「おまえ、さっきは今にも泣きそうな顔をしてた。悪かったな、水を掛けたりして」
「えっ」
顔を上げて成田センセを見上げるとセンセはわたしの髪をくしゃくしゃと掻き回した。
わたしを見る目はなんというか穏やかだ。
「水、わざと掛けたりしたんじゃなくて…」
言いかけてセンセの指が内緒だという仕草でわたしのくちびるを塞いだ。
「泣くんなら俺のとこに来て泣きな」
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