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謎のひとことを残してびしょ濡れの服を絞り、白衣を肩に引っ掛けて風のように去っていった。
「あいつ、誰?」
「あ?え?うん。近所のお医者さんなの」
「親しく見えたけど、ぽぽの彼氏?」
達也は成田センセが去って行った方を眺めてる。
「彼氏?やだ、とんでもない!」
「それにしちゃ親しげだったけど」
「た、ただの近所のお医者さんだよっ!彼氏だなんてそんな」
彼氏だなんてそんな。
第一、歳が違いすぎるじゃん。
「あっちが子供に興味ないってば」
「何、焦ってんの?そんなのわかってら」
ぐ。
達也が興味なさげに話題を変える。
「なあ、ぺこに告白したらぺこは俺と付き合ってくれるかな?」
ズキン。
「えっと、ぺこちゃんは達也のこと友達にしか…」
「…そうだよな」
達也は頭をガリッと掻いてため息をついた。
わたしと達也が親しくしていたから、自然とぺこちゃんとも親しくなった。
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