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いつもだるそうでめんどくさがっているが、実は真面目な帽子屋屋敷の主人。ブラッド=デュプレ。
自分をウサギと認めないくて怒りっぽいが、可愛いところもあるウサギさん。エリオット=マーチ。
人一倍残酷で冷めているが、自分だけには子供らしく甘えてきてくれる可愛い双子。トゥイードル=ディーとトゥイードル=ダム。
主人に似て、いつもだるそうにしているが、いざという時には頼りになる使用人たち。
そんなみんなと楽しく紅茶を飲む。
ブラッドは、ただひたすら紅茶の良さを語っていて、その横で嫌というぐらいに並べられた人参料理に文句を言う双子と、それを黙らせるために銃をぶっぱなし始めるエリオット。そして喧嘩になる。
日常になりつつあった非日常━━━━
それがあったから引越しも乗り切れた‥‥‥。
━━━━でも、別れは突然やってきた。
目の前にあるのは、豪勢なティーテーブルではなく、広すぎる花園。
見慣れた真っ赤なバラではなく、凛とした青いバラ。
そして目の前に立つのは、ヘンテコ帽子をかぶったブラッド‥‥ではなく、優しく困ったように笑うクロスと青いバラさん。
あまりにも突然すぎた‥‥‥。
足元の地面が崩れるような感覚に襲われ、ペタンとその場に座り込んだ。
胸にこみ上げてくるのは、悲しみでも、自分を置いていった彼らに対する怒りでもなく‥‥‥‥。
━━━━底知れない虚無感だけだった━━━━
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