派遣会社時代

8/39
前へ
/337ページ
次へ
その年の夏、手島が花火に誘ってきた。 「誰が来るの?」 「女の子2人誘ったよ。」 花火当日、手島のアパートに俺の車をとめて、手島の車で女の子を迎えに行った。女の子と合流し、木村が俺を2人に紹介し、女の子の名前はるみこちゃんとさちこちゃんだと紹介された。その後、豊田のおいでん祭りで行われる花火を見に行った。 車をデパートの立体駐車場にとめて、花火があがる川のほうへ歩いて行った。 川に近づくにつれ、人だらけではぐれないように気をつけていた。 なんとか川の近くに着いた。人見知りな俺は、女の子と話せずにいた。 なかなか良い場所がみつからず、 「駐車場からみようか?」 と、手島。 みんなで人をかきわけながら、駐車場に戻る途中、花火があがりだした。 音だけ聞きながら、駐車場へと急ぐ。 駐車場に着き、ようやく花火がみえた。 「きれいだね。」 と、るみこちゃん。 俺はまだ話せずにいた。 花火が終わり、手島のアパートに行き、 「木村が2人を送ってやってよ。」 「わかったよ。」 「よろしくお願いします。」 『女の子と何も話せてないからどうしよう。』 俺の中では、るみこちゃんが気になっていた。2人は同じ西尾市、 「俺、道わからんからナビってね。」 「わかりました。」 ナビしてくれた通りに西尾を目指す。 西尾市に入り、 「どっちを先におろせばいい?」 「さちこでお願いします。」 まずはさちこちゃんをおろした。 そしてるみこちゃんと2人きりになり、 『ここで電話番号交換しないと。』 と、思いながら、るみこちゃんの家が近づくから、勇気を出して、 「電話番号交換しない?」 「いいですよ。」 「どこでおろせばいい?」 「スギ薬局でいいですよ。」 スギ薬局に着き、 「赤外線できる?」 「できますよ。」 「じゃあ俺が先に送るね。」 「きました。じゃあ私が送りますね。」 「きたよ。」 登録をして、 「今日はありがとね。」 「ありがとうございました。」 そしてるみこちゃんと別れて帰宅した。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

212人が本棚に入れています
本棚に追加