無職時代

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翌日になり、F木工所に出勤した。 慣れない作業が多く、社長の奥さんに、 「そんなこともできないの?」 と、叱られた。数日いろんな仕事をして、 ベットの引き出しを組み立てることになった。 みんながいる工場から少し離れた小屋で、 最初は4、5人で作業をして、 「ここからは一人でやってね。」 と、社長の奥さん。 ひたすら作ったが、うまくできない物も あって、小屋の外に置いておいた。 しばらくして社長がやってきた。 「こんなとこに置いておいたら あかんじゃないか。」 「失敗したので。」 「失敗とか作ったらあかんぞ。 全部製品にするんだから。」 「すみません。」 それから2週間経ち、製品の出荷になった。 なんとかできたなと、思い帰宅した。 休日を挟み、出勤したら社長に、 「失敗ばかりだったぞ。修正したけど もう困る。」 「辞めたほうがいいですか?」 「そうやな。」 しばらくして社長の奥さんが来て、 給料制袋を渡された。 「お世話になりました。」 わずか1ヶ月でくびになった。 12月になりどこで働けばいいか 悩んだ結果、昔お世話になった。 I社で働こうと思った。職業安定所に 電話して、紹介してもらおうと思ったら、 「以前働いていたなら、ご自分で 会社に電話してください。」 と、言われ、I社に電話した。 「以前お世話になりました、木村 といいますが、採用担当の方は みえますか?」 「あー、木村くん。営業部長にかわるね。」 「木村くん、また働きたいの?」 「はい。」 「明日の1時に面接に来れる?」 「はい。」 電話を切り、翌日に面接に行った。 「失礼します。」 営業部長が座っていた。 「まあ座って。」 しばらく世間話をして、 「今は加工は正社員はとってないんよ。 パートでもいい?加工以外の仕事を 任せることができれば、正社員に することはできるから。」 「パートでも大丈夫です。」 「明日から来れる?」 「明日はちょっと。」 「来週の月曜は?」 「はい。大丈夫です。」 「じゃあ明日、作業着とりに来てね。」 「わかりました。」 翌日、作業着をとりに行った。
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