I社時代

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週明けの初出勤日、少し緊張しながら 会社に向かった。 「まずはこのラインからやってもらうから。」 「はい。」 昔やったことはあるけど、忘れている ことが大半で、無我夢中で仕事をした。 昼前くらいに社長がやってきた。 「明日から11時から22時のシフトで 勤務できない?」 「うーん、わかりました。」 「明日の夜はあのラインやって もらうから、また聞いておいてね。」 「わかりました。」 5時になり疲れきって帰った。 翌日からのシフトを母親に伝えて、 翌日になった。夜にやるラインも聞いて、 夜になった。生産目標は1時間に200個で、 無我夢中でやった。慣れないのでなかなか できなかった。その後、夜はこのラインで 昼はいろいろかわった。 3ヶ月ほどこの仕事を続け、営業部長に 「これからいろいろやってもらいたいから 来月から正社員にするね。」 「ありがとうございます。」 正社員になれるのはうれしかった。 1ヶ月経ち正社員になれて、 やる気もでてきた。 そして1年が経ち、営業部長から、 「田中さんがもう年配なので、 その後継者になってもらいたい。」 「ほんとうですか?うれしいです。」 17時から22時までの責任者になり、 任されることがうれしかった。 製品検査やライントラブルの対応などを 田中さんに教えてもらい、覚えていった。 1年くらいは順調に仕事をこなし、 給料も大幅アップした。 すべてが順調に進んでいると思って いたときに新製品の加工を任せれた。 最初はなんとかやれていたが、 徐々に精神状態が悪くなってきた。 もう限界になったので、営業部長から 社長にかわった、社長に相談した。 「責任者からはずしてほしいんですけど?」 「そうかー。頑張ってもらいたいだけどな。 給料は下がるけどいいか?」 「はい。」 給料は下がり、やる気も下がってしまった。 その半年後、ラインに入っていて、 「この製品は不良じゃないか?」 と、そればかり気になって、 仕事どころじゃなくなってしまった。 もう限界だ。翌日社長に、 「不良があるんじゃないかと思って 仕事になりません。辞めさせてください。」 「休んだらどうや?またそれから 考えよう。」 「2週間休みをください。」 「2週間!?わかった。」
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