大学時代

62/64
210人が本棚に入れています
本棚に追加
/337ページ
俺はいつみのことをあきらめずにいた。 電話で、 「また付き合ってくれないか?」 「もう無理だって。」 それからしばらくして、社員の寺町と付き合うことになったことがわかった。 寺町と1緒にバイトすることは、辛かったが、バイトは辞めてはいけないと思ってた。 他に好きな子でもできれば、いつみのことが忘れることができるかと、思った。 せいこちゃんと遊んだこともあった。 DVDをかりてきて、1緒にみた。せいこちゃんとは、いい雰囲気になることはなかった。 俺はいつみのことが忘れられず、苦しんでいた。 『寺町と何をしてるんだろう?』 『今ごろ抱かれているんだろうか?』 そんなことばかり考えて前進できずにいた。 俺は3年の冬になっていた。就職活動の真っ最中。就職は氷河期。メーカーは無理だとあきらめていた。 何がしたいかも漠然としていて、技術系の派遣会社に就職して、何社かまわって、自分がしたいことをみつけようとした。 派遣会社以外の会社説明会にも参加したが、ピンとくる会社はなかった。 派遣会社に行くことを決め、T社に志願することにした。教授の推薦ももらい、T社にエントリーした。 履歴書を書き、面接で必ず聞かれる自己PRをどうするか悩んだ。 大学といえばバイトしかしてなかった。バイトのことを自己PRで言おうと決めた。 そして面接の時がやってきた。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!