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そう言うと、ジオは黙ってゼータに神龍の兜を手渡し、傷の癒える間もなく、旅立って行った。
「ジオー
お互い、傷が治ったらまたやろうな!」とゼータはジオに声を掛け見送るのであった。
ジオは、黙ってこちらに背を向けたまま、手を上げて応えていた。
「ねえ
これで良かったのかな?」とジェシカがゼータに尋ねた。
「ああ、
あいつは、何も汚れちゃいないよ
ただ純粋に強さを求めてるだけさ
必ずわかり合える日が来ると、俺は信じているよ」とゼータはジェシカに答えた。
ジオはゼータの心に触れ、己の敗けを認め始めていた。
そして変わり始めようとしていた。
しかし、そんなジオの前に、良からぬ考えを持つ者が現れようとしていた。
第三章完
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