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「絶対大丈夫じゃないよね?私たっちゃんが嘘ついたらすぐわかるもん」
明菜に嘘がつけないのはわかっている。ただなにがあったのかは言えないのと、心配をかけたくない思いから無理に笑顔を作った。
「ちょっと疲れただけだよ。だからそんな心配そうな顔するなよ」
「心配するよ!なんでいつも本当の事を言ってくれないの?なんで嘘つくの?私ってそんなに信用できない?私って頼りない?」
夜の住宅街は静かすぎて明菜の嗚咽と泣き声しか聞こえてこない。
泣きながら頭を俺の胸に預けてくる明菜に俺はなんと声をかけていいのかわからなかった。
その後の帰り道はお互いに無言だった。なんだか気まずいと思っている頃には明菜の家に着いていた。
無言で家の中に入っていく明菜はきっと怒っていたと思う。
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