星野達也

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体育の時間が終わったのと同時に明菜が俺のところにやってきた。 普段のクルクル巻いた髪とは違い、ポニーテールをしていた。 「たっちゃん。なんで体育休んだの?」 「別に理由はないけどな。ただダルかったからな」 男子の数名が俺達のやりとりを見ている。 まあモテる女と話をしている時は、こんな風に見られるか。 「ふーん。体調悪いのかと思って心配しちゃったよ」 「まあ体調悪かったら学校にすら来ないけどな」 その後、数回のやり取りをして、明菜は着替えがあるため、先に教室に向かって行った。 俺のクラスは七組まであるうちの、一組だ。明菜とは高校になって初めて同じクラスになった。 体育館から教室に向かう途中で見覚えのある後ろ姿を見つけてしまった。 触らぬ神に祟りなしと。俺は気がつかないフリをして、そのまま素通りしようとしたのだが…
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