伊藤秀樹

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「ちょっと嫌な事があって…それで一人になりたくなって屋上に来たんだけど」 「そしたら私がいたと。だからさっき、そこの入り口を開けたり閉めたりしていたのね」 どんだけ目がいいんだよ。告白のシーンでそんな事を気にされるなんて、さっきの男も可哀想だな。 「気がついてたんだ」 「まあね。視力と顔には自信あるから。それより嫌な事って?」 小森はさらりと言った。高飛車だという噂は本当らしい。 「好きな子がいるんだけど。その子が好きなヤツが、俺の大嫌いなヤツだったんだよ そうだ。三大美女は知ってるよね?俺が好きな子もその一人なんだけどさ もう一人の子とも仲がいいんだよそいつは」 「用はジェラシーでしょ?男のジェラシーは見苦しいからやめた方がいいと思う それより。その三大美女ってなに?詳しく聞かせてもらえない?」 急に小森は不機嫌になった。やっぱり人の色恋沙汰など聞いてもつまらなかったのだろうか。
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