伊藤秀樹

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どこで噂を聞きつけたのだろうか。一組の教室の外にはギャラリーが出来ていた。 みんな、なにかを期待しているような顔をしている。そんな中、ようやく小森が口を開いた。 「あなた名前は?」 小森が指を指したのは星野だった。なにが起きるんだろうか。 「俺?星野達也。あんたは?」 みんな唖然だった。まさか小森を知らなかったと言うのか?それを聞いた小森は無表情。 「まさか私を知らないって言うわけ?」 星野はキョロキョロと新藤や小出を見ている。 まるでお前達、知っているかというような感じだった。 「悪い。わからないな」 小森は顔を真っ赤にしていた。そうとうショックだったのだろう。 「私、そうゆう冗談は大嫌いなんだけど」 「あの。悪いが私達の中で、あなたを知っている者は一人もいないんだ そろそろ用件と名前を教えてもらってもいいか?」 とどめをさしたのは新藤だった。周りのギャラリーも顔がひきつっている。 本当にどうなってしまうんだ。小森は誰が見てもご立腹になっている。
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