小森美咲

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私は端から見て、どうに映っているのだろうか。 そんな私がもっともこだわっているもの。それは『美』 高校三年が持ってるお金なんてたかが知れている。 そのお金のすべては美にかけていた。 いいシャンプーを使っているし、いい化粧道具も使っている。 この学校では一番の美人。常に自分に言い聞かせてきた。 美人な私には、それに見合う男でなければならない。 それなのに…言い寄ってくる男といえばつまらない男ばかりだった。 僕は勉強ができるだの、僕は将来はこうなりたいだの。もううんざり。 正直聞いてるだけで、飽き飽きだ。私から言わせればそれがなに? 顔が良くないのに、よく私を口説こうとしていると。 今日もそうだった。屋上に呼び出されたかと思えば、そんな話ばかり。 その男がなにか言う前に無理と言ってやった。 動揺して、なにか訳のわからない事を言っていたけど、すべて無視した。 そしたら偶然、入り口から私達のやりとりを覗き見している生徒がいた。
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