小森美咲

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「意味がわからないな。俺に会うにしても用件があるわけだろ?」 「まあね」 ノリで言ってしまっている訳だけど、用件はない。 そもそもは彼に用事があった訳でもないし。なんて言おうか。 「なら用件はなんだ?」 「あなた、私と付き合ってみない?私達、顔がいいからお互い釣り合っていると思うの」 思ってもない事を口にしてしまった。でもまあいいか。 私と釣り合うと言ったのは嘘じゃないし。しかし彼の口から出たのは冷たい言葉だった。 「はっ?ますます意味がわからないな。なんで俺なんだよ 悪いけど無理だ。付き合うんなら他の奴を探してくれ もう用件は終わりだろ?なら俺は行くからな」 私が振られた?頭の中がパニックだ。いくらノリで言ったにしても、私が振られるなんて。 屋上を出ていこうとする彼の腕を掴んだ。
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