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くっ。ダメ。ここで怒りをあらわにしたら、相手の思うつぼだ。
「それよりあなた男だったらよかったのにね
きっとその短い髪も、スゴく似合っていたのに」
「そうだな。この口調だし、男の方が良かったかもしれない」
彼女は全然こたえていなかった。むしろ私の言った事に納得している。
はぁ。話すだけ時間の無駄のようだ。話を切り上げようと思った時に彼女は言った。
「ところで。達也となにを話した?」
えっ。まさか。それを知っていて私に言わせようと。そうだとしたらそうとう性根が腐っている。
「べ、別に特には。なんで?」
「大丈夫か?動揺しているようだが。達也に聞いても、大した事は話していないと言うだけだからな
だからもう一人の当事者のお前に聞いただけだ。もう時間だから私は行くぞ」
彼女は早足で去っていった。言わなかったのか。
私は安堵していた。本気じゃないにしても、告白して振られたなんて話が広まったら。
考えただけでも鳥肌が立ってくる。
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