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「**…!?」
「あ、蓮二くん。こんばんは」
「どうしたんだ急に…」
「実はね、蓮二くんには内緒で蓮二くんママとクリスマスにこっちに遊びに来る計画をたててたの。でも、見つかっちゃったね」
失敗したーなんて笑っている**の頬は真っ赤で泊まりの荷物が入っているであろう大きな鞄を持った手も指先が赤かった。
きっと駅からここまで歩いてきたんだろう。
「寒かっただろう?早く中に入ろう」
「うん」
___
さりげなく私の鞄を持ってくれる蓮二くん。
所詮私たちは遠距離恋愛と言うものでこうやって会いに来るのも長期の休みじゃないとできない。
それでもこうして会えたときには沢山甘やかしてくれる。
「…手、冷たいな」
ぎゅっと私の手を握ってくる。
「手袋忘れちゃって」
「全くお前は…」
呆れたようにため息をついているけど実は蓮二くんに手を握ってもらうために手袋持ってこなかったんだよ。
なんて、言葉に出さなくてもきっと蓮二くんはわかってるんだろうけどね。
「だがまさか家に来るとは思ってなかった。データに加えておこう」
「なんだか勝った気分」
「そうだな。お前にはいつも驚かされてばかりだ。
…そんなところが好きなんだがな」
ふっと笑ってくれる蓮二くんにどきりと心臓が高鳴る。
やっぱりどんなに離れていても心だけは離れないよ…。
離れていても離れない心
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