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「…柳先輩って彼女いたんスね…。」
走っていってしまった柳を見ながらその後の二人のやり取りも見ていた3人。
ぽかんとして、それから大きな大きなため息をつく丸井。
「なんかもう俺やだ」
「ちょっ、こんなことで自殺とかやめてくださいよっ!!?」
「お前にとってはこんなことかもしれないけど俺にとっては死活問題でな…」
「赤也、今のブンちゃんに何言っても無駄じゃ」
「あ、えっと、そうだ!お菓子おごりますよ!コンビニ寄りましょう?だから元気出してくださいっス!」
「っ…赤也、お前いい奴だよ…俺はこんないい後輩をもって幸せだ!やっぱ最後は友情だよな!」
若干涙目で肩を掴んできた丸井先輩は軽く怖かった。
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しばらくして見えてきたコンビニに入るとクリスマスだからか人は全くいなくて
いらっしゃいませーと少しだるそうな声が聞こえてきた。
「先輩何がいいっスか?」
お菓子コーナーに直行して沢山並んだ美味しそうなお菓子を見る。
「じゃあこれにするわ」
「俺はこれじゃ」
「なにちゃっかり選んでるんスか。仁王先輩のは買いませんよー」
「赤也俺には意地悪じゃな。まーくん悲しい」
「まーくんとかキモ」
「ガチで言うんじゃなか。悲しくなるぜよ」
仁王先輩を冷ややかな目で見ている丸井先輩と
冷ややかな目で見られてしょぼんとしている仁王先輩を置いて俺はレジに向かった。
丸井先輩が選んだのは新作のチョコ菓子でクラスの女子がおいしいと言っていたやつだった。
それをレジにおいて鞄から財布を取り出したときだった。
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