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「あれ?赤也くんじゃん」
「え…**さん!?」
顔を上げるとそこにいたのは**さんだった。
「偶然だねー部活帰り?」
「はい!」
「そっかー、私はクリスマスなのに彼氏もいないからバイトだよー」
うっうっと泣き真似をしながらおどける**さん。
「あ、345円ですー」
「はい」
「丁度お預かりします。レシートは…ちょっと待ってねー」
商品を袋に入れて手渡され**さんは後ろを向いて何かをしていた。
「赤也知り合いか?」
店員と話しているのを不思議に思ったのか先輩たちが来た。
「はい。俺のクラスメイトのお姉さんで家に遊びに行ったときいつもお世話になるんスよ」
「へー」
「…よし、と。ん?赤也くんの先輩かな?」
「あ、初めまして」
「うん。こちらこそ。ところで赤也くん、これから予定ある?」
「?ないっスよ?」
「よかった。私もう少しでバイト終わるから一緒に晩ごはんでもどうかな?」
「え!いいんすか!?」
「うん。こんなおばさんでよければ一緒にクリスマス過ごしてください」
「おばさんって**さんまだ高校1年生じゃないっスか!」
「高校生になればわかるよ。中学生って若い」
しみじみと言う**さん。
「それで終わるまで近くの本屋とか喫茶店で時間潰してて?
それとこれ、私のアドレス。私のケータイに空メール送ってくれればバイト終わったときに連絡するからさ」
そういってレシートの裏にアドレスを書いて俺にくれた。
「了解っス!」
「じゃあまたあとでね?」
にこりと笑う**さんに顔がだんだんにやけるのが自分でもわかった。
今日は特別な一日になりそうだ
君を思ってはねる鼓動
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