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「あ、そうだ。」
「…なに?」
まだトーンの低い声に
少しだけ苦笑しながら
近くに置いておいた雑誌を
ぱらぱらとめくっていく。
ページの端を折ってある所で
めくるのをやめた。
「退院したらここ行こう?」
「…海?」
**は雑誌をのぞき込むために
ベッドへと移ってきた。
そのページには、
青く綺麗な海が広がっていた。
「そう。海」
「…うん。行きたい」
少し微笑んだ彼女にほっとして
頭を撫でてあげる。
「海、楽しみだな。
…夏の砂浜は熱いから
気を付けなきゃね?」
頭を撫でられているのが
心地好いのか目を閉じる**。
「赤也とブン太なら熱いーって
大騒ぎになるだろうね?」
「そうそう。
それで弦一郎に騒ぐなー!!って
怒られるんだよね?」
「そんな弦一郎が一番
うるさいのになんで
気づかないかな?」
ため息をつく精市に
クスクスと笑う**。
「じゃあ海は二人で行こ?」
「そうだね。
二人でゆっくりしようか?」
「うん」
俺は**の肩に寄りかかった。
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