明日また 幸村

3/5
前へ
/44ページ
次へ
「あ、そうだ。」 「…なに?」 まだトーンの低い声に 少しだけ苦笑しながら 近くに置いておいた雑誌を ぱらぱらとめくっていく。 ページの端を折ってある所で めくるのをやめた。 「退院したらここ行こう?」 「…海?」 **は雑誌をのぞき込むために ベッドへと移ってきた。 そのページには、 青く綺麗な海が広がっていた。 「そう。海」 「…うん。行きたい」 少し微笑んだ彼女にほっとして 頭を撫でてあげる。 「海、楽しみだな。 …夏の砂浜は熱いから 気を付けなきゃね?」 頭を撫でられているのが 心地好いのか目を閉じる**。 「赤也とブン太なら熱いーって 大騒ぎになるだろうね?」 「そうそう。 それで弦一郎に騒ぐなー!!って 怒られるんだよね?」 「そんな弦一郎が一番 うるさいのになんで 気づかないかな?」 ため息をつく精市に クスクスと笑う**。 「じゃあ海は二人で行こ?」 「そうだね。 二人でゆっくりしようか?」 「うん」 俺は**の肩に寄りかかった。 .
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加