第1章

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覚悟、というよりも決意をしたところでまずはスキルについて確認してみようと思う。 先ほどは黒い光に中断させられたせいで確認できなかったからね。 「ステータス画面を開くには左手で空中にS字を描く、と」 黒い光の言葉を反芻しつつ空中で左手を動かす。 ……うん、今回は画面が目の前に現れるなんて事にはならなかった。 一辺が約30センチぐらいだと思われるステータス画面。 空中に画面が突然表示されるなんて非現実的だけど、地球の常識は通用しない事はすでにわかっているので気にしない。 「確か……スキルの説明を見るには右手の人差指でスキル名に触れればいいんだよな?」 そう口にしながらも一つ目のスキルである【ラッキーパンチ】の文字に触れる。 同時にステータス画面の上に新たに現れたスキルの説明が表示されている画面。 間違いなくスキルは今後の行動に関わってくる。 効果だけは確実に頭に入れておかなければ…… 【ラッキーパンチ】 『極稀に自身の拳がヒットした相手の残存体力の99.9パーセント分を問答無用で減少させる。 効果が発揮されるのはあくまでも自らの〈拳〉であり、武器による攻撃では効果は発揮されない。 ただし〈籠手〉による殴打は〈拳〉での攻撃と判断する』 ……効果さえ発揮されれば一撃必殺の可能性あり、って事か。 効果だけを読めばかなり強いと思うが、こういうのって基本的にまず発動しないんだろうな…… これについては後回しにして、次のスキルを確認しよう。 まぁ、名前からしてこっちも運関係のスキルな気がするけれども。 【際限無き運】 『自分以外に攻撃を当てれば当てるだけ自身の運が上昇する。 効果の持続時間は攻撃が当たってから30秒であり、持続時間内で更に攻撃を当てれば持続時間に30秒が追加される。 なお効果は戦闘外でも持続。 一度に上がる運の上昇率は0.0001パーセント~0.0002パーセント。 攻撃は何でもよい』 ……要するに誰かに攻撃を当てさえすればボクの運が僅かに上がる、と。 なんとも微妙な効果のスキルだ。 攻撃を当て続けさえすれば効果は期待できそうだけど。 1000回ほど当てれば1パーセントか......そんなに攻撃すれば相手を倒せそうなものだけどな。 こちらもあまり期待出来るスキルじゃない、あるということだけは覚えておくとしよう。 ……どうせならもうちょっと気軽に役立てられるスキルがよかったよ。
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