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気を取りなおしたのだろうか。
男は、咳きこむわたしを四つん這いにさせ、こんどは後ろから責めようとした。
絞められずに済むのならと半ば安堵し、けれど微妙な物足りなさを感じながら、わたしは協力の体勢をとった。
と思ったらもう終えていた。
男はあっけなくわたしのなかで爆ぜていた。
わたしは首を捩じ曲げ、だらしなく萎んで縮こまっていく男の下腹部に視線を投げた。
なんとなく、もういいや、と思った。
その理由はよくわからない。
強いていえば、わたしの手から何かが零れおち、すり抜けた、というところだろうか。
女の勘みたいなもの。
この人じゃ、ダメ、みたいな。
男は、あぐらをかいて俯き加減にわたしの着ていたキャミソールで股間を拭いている。
投げ遣りで、雑な手つきだった。
わたしはぼんやりと、その体勢のまま動けずにいた。
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