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浩二のね、お尻の穴にもね、たまにだけど、こんなのがこびりついてたりするよ――
畳みのうえで粘り、へばり付いて薄黄色に染まった砕片を指し示し、言ってやった。
蛆のように散って広がるひじきめいたものを一瞥して、男はようやく悟ったようだ。
沙耶、俺が悪かった、と頭を下げてきて、わたしの肩に触れようとした。
今、わたしの内側から迫りくる嫌悪は、否定というよりも、どちらかというと拒否にちかい。
触れようとする男の手をすり抜け、トイレットペーパーを投げつけた。
ぽすっと軽い音をたてて男の頭に当たり、跳ねかえってそのまま転がった。
男は失笑まじりの表情をうかべると、フケを飛ばしながら頭を掻き、トイレットペーパーって破れやすいんだなあ、と呟いた。
わたしは不意に強い憎しみを覚えた。
だから、てめえのケツにもこびりついていると言ってんだろうが。
わたしは白い靴下に裸という滑稽な姿の男を一瞥して、肩をすくめると満面の笑みをかえした。
それから手早く身支度をし、キャミソールをゴミ箱に叩きこんでそのまま家を出た。
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