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女は特別扱いされるのが好きだ。これに例外はない。
その一方で、好む相手から貶されることを心のどこかで望んでいる自分がいる。
ひどく心が錯綜する瞬間があるのだ。
こういった自分の心理がよくわからない。
その瞬間を目敏く感じとると、男はわたしがひそかに望んでいる方向に事態を誘導していく。
その導きかたは強引で、乱暴だったりもするけれど、ときに自然にそのようにもっていったりして、その手管はなかなかのものだ。
けれど、どこかで充たされない自分がいる。
溜息を吐く。
あと少し。
そんな気持ちがどこかにあるのだ。
あと少しで、だけど、それがなんなのかは、よくわからない。
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