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そんな妄想じみたことを思って彷徨っているうちに、どこからだろうか、蝉の姦しい鳴き声が耳に届き、わたしは我にかえった。
自分の青臭さもそうだが、真上で降りつける太陽の熱も疎ましい。
わたしは掌で庇をつくり、顔に陰をこしらえた。
キャミソールを棄ててしまい、ジャケットの内側が下着だけなので、あまり気分が落ち着かない。
たかだか薄い布一枚でも、身に纏わなければこんなに心許ないものか。
わたしは夏用のジャケットの襟元を無理やり重ねるようにして合わせた。
そして途方に暮れた。
勢いで家を飛びだしたのはいいが、わたしにはあてがない。
行く場所が、ない。
ふらふらと後先を考えない自分のばかさ加減に、後悔の念が這いあがってきた。
俯き加減に早足で歩いた。
すると内股のあいだで閉じこめらていたものが、粘つく自己主張をしはじめた。
また今さら、というタイミングだった。
思わず眉間に皺が寄った。
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