1番線 鉄道プリンセス

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つばさは大学を卒業して、JR九州に就職し、乗務員として活躍する。 双子の姉妹のみずほとさくらは同じ女子高を卒業したものの、 みずほは東京の大学へ、さくらは地元である大阪の大学へ行く事になった。 そして、3月下旬…。新大阪駅で伊三郎、あやめ、さくらに見送られて、みずほはのぞみ号で東京へ向かった。 みずほは寂しそうな顔をしながら景色を眺める。 「おっ、みずほか!」 一人の老人がみずほに声をかける。祖父の平和だった。 「ワシは、国鉄時代の仲間と東京で会う約束しててな。 ワシが東京では最後に指導した後輩が定年退職で、みんなでお疲れ様を言いに行こうとな。伊三郎がみずほの横の席を取ってくれたのや。」 平和はみずほに話しかける。 「おじいちゃん、JR西日本を退職してから元気なかったのに、今日は元気やね。」 みずほが寂しさを紛らすために平和に話しかける。 「そりゃ、久しぶりに大阪を出るんやからな。本当はひばりも一緒に行く予定やったんけど、婦人会の温泉旅行と被ってしまってな。東京に付いたら、東北新幹線のホームに向かうで。」 平和は、みずほに一緒に後輩をお祝いしようという。 「分かった。おじいちゃん、カメラ持ってきてたら貸して。」 みずほは平和にカメラを借りる事を頼む。 「そや。これ、みずほへの入学祝のビデオカメラや。よく、電車を撮ってたからな。」 平和はみずほにビデオカメラを渡す。
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