知性派魔法少女

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ほむらは飛躍的に知能が上昇した。教科書は一度読むだけで期末テストは満点だった。校内一成績がいいのがマミだったが、ほむらは全国模試で一位を取れたので上下関係は逆転したといっても過言では無い。 「ロボットでもぬいぐるみでもない。キュウベェはインキューベーターの略なの?」 「よくわかったね。でも君の知能はそんなものじゃない。そのうち日本の研究機関も目をつけるかもしれないほどにだよ」 「それはともかく代償とは何…?」 願いを叶える前の会話は全て覚えている。そのためある単語が引っ掛かったままだった。 インキューベーターは都合が悪いと言わんばかりに行ってしまった。 「どうしよう。ノロマで無くなった反面恐ろしいことが予測できて怖い…」 杏子と会う約束をしていた。屋上に立ち風を待っていた。音楽を聞きたいと思った。そしたら気が晴れるのに。 「よお!」 「こここんにちは」 「緊張しなくてもいーよ」 「ありありがと…」 「まどかの奴隠してやがるな」 「疲れてるとか?」 「あいつは人に弱み見せねー奴だからな。一理ある。だが、他のことだ」 「?」 「まどか、転校するらしい」 「うそ…!願いも叶えてもらったのに」 「願い?わけわかんねー。とにかくお別れ言っておきなよ。友達なんだろ?」 「…」 1ヶ月経った。その間に起きたことといえば、辛くてやりきれないことばかりだった。 キュウベェの予言通りほむらは国家研究機関に送られた。それは東京都中心部にあるAIという場所にある不気味な形の建物へだった。軽い気持ちで入るとほぼ監禁状態で2週間に一日だけ出れた。もちろんまどかに会う時間は限られ、彼女が転校する日まで一緒にはいられなくなったのだった。 「まどか…まどか…まどか…あなたのために頭が良くなったのに好きになってもらいたかったのに…」
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