132人が本棚に入れています
本棚に追加
「…お前さ、今何してんの?」
「専門学校。」
素っ気なく答える。
声も可愛いんだよ。
あの時に奈緒のスカートさえめくらなければ、俺はもうちょっと幸せだったはずだ。
高校の卒業式、奈緒に会わなくて済むと心の底から喜んだのを思い出した。
「先輩。」
「ん?」
「解ってると思うけど、変なことしたらぶっ殺すから。」
つまり、泊めてあげても俺にはご褒美の一つもないということだ。
ダラダラとしていたら、アパートに着いた。
「思ったより綺麗なとこだね。」
「家賃の半分会社負担だから。」
「ふーん。」
奈緒は俺から鍵を取り、何の躊躇いもなく家に入った。
最初のコメントを投稿しよう!