ビスケット

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「…お前さ、今何してんの?」 「専門学校。」 素っ気なく答える。 声も可愛いんだよ。 あの時に奈緒のスカートさえめくらなければ、俺はもうちょっと幸せだったはずだ。 高校の卒業式、奈緒に会わなくて済むと心の底から喜んだのを思い出した。 「先輩。」 「ん?」 「解ってると思うけど、変なことしたらぶっ殺すから。」 つまり、泊めてあげても俺にはご褒美の一つもないということだ。 ダラダラとしていたら、アパートに着いた。 「思ったより綺麗なとこだね。」 「家賃の半分会社負担だから。」 「ふーん。」 奈緒は俺から鍵を取り、何の躊躇いもなく家に入った。
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