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速いーーー、そう認識した時にはすでに鎌の間合いの中。
二メートル以上もの大きさを誇る鎌が、軽々しく振り上げられる。
その刀身をギラギラと光らせ、死神を両断せんばかりの勢いで襲いかかる。
後ろに退いても鎌の餌食になるだけと判断した死神は、咄嗟に己の体の軸をずらし、敢えて左腕を鎌に喰らわせてやった。
飛び散る血液。
宙を舞う腕。
大きく降り下ろされた鎌は地面を深く抉り、そこで漸く止まる。
片腕腕を失ったものの、寧ろこの状況は死神とって好機となった。
リクが接近してきたことにより、死神の攻撃圏内。
加えて巨大な鎌を降ったリクが次の行動に移るまで、僅かな時間を要すだろうと推察した死神は、残る右腕に渾身の力を込める。
ーーーが、死神の予測は大きく外れることとなる。
リクは死神が拳を放つよりも速く、右足で地面を踏み込み、崩れた体制を建て直す。
さらに死神がそれを認識するよりも速く、鎌を横凪ぎで大振りする。
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