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「……であるからして、妖怪というものは昔の人々にとって『理解できないもの』をこじつけるために創り出されたということがいえるわけです」
興味があって専攻している民俗学も、教授の声を介すると途端に眠くなるのは何故だろう。
私は口元を手で隠し、ふわあと欠伸をした。
「ねぇ葉月、今日のお昼どーする?」
「学食?それとも……お弁当?」
左右に座った友人たちがひそひそと声をかけてきたので、私はにっこり笑って応じた。
「もち、お弁当。ちゃーんと作ってきたから」
その言葉に二人の友人が揃ってため息をついたのは、授業が退屈だからというわけじゃないだろう。
左側に座っていた佳奈がちろりと半眼でこちらを見た。
「それ、食べられるんでしょうね?」
「また真っ黒とかじゃイヤだよ。見ててこっちまで食欲なくすから」
素早く右側の栞が付け足す。
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